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女子バスケ代表に本川紗奈生が復帰。
頼もしきドライブクイーンの執念。
posted2019/06/16 17:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
東京五輪で悲願のメダル獲得を目指すバスケットボール女子日本代表に、頼もしい“リオデジャネイロ五輪戦士”選手が帰ってきた。
5月31日と6月2日に行なわれた女子ベルギー代表との国際強化試合で、2試合とも先発に名を連ねた本川紗奈生(シャンソン化粧品)が、2試合合計29分間のプレータイムで12得点を記録。持ち味である突破力満点のドライブに加えて、味方に合わせるコンビネーションでもスムーズなプレーを披露し、3ポイントシュートも決めた。
日本は2連勝。昨年の女子W杯でベスト4に入ったベルギーに対して、価値ある結果だった。
リオ五輪後に就任したトム・ホーバスHCの指揮の下で本川が国際試合に出たのは今回が初めてであり、17年からずっとプレーしている選手と比べると、チーム戦術の理解度はまだまだ足りていない。そんな中で、本川は手応えを感じていた。第1戦の後、このように語った。
「スタートとしての役割と、自分の役割の両方をやれたのではないかと思います」
スタートの役割とは、チームコンセプトのひとつである、走るバスケ。
「まずはブレイク(速攻)。走って日本のバスケをやろうと言っていたので、とにかく走りで負けないように意識して入りました」
課題はあれどドリブルは健在。
自分の役割とは、リオ五輪で世界の強豪国のディフェンスを切り裂いた風神のようなドライブ。
「ドライブからアシストすることや、自分でフィニッシュすること。そこはできたと思います」
口調によどみはない。しかし、課題も当然ある。第1戦で浮かび上がった課題は、ドライブで中に切れ込んだ際の味方へのパス精度や、ドリブルでボールを運んできたポイントガード(PG)からパスを受けた後、もう一度PGに戻してしまうといった、消極的な選択をしたこと。だが、それらは試合を重ねていくことで解決していくことが可能だ。
「まだまだやれます」と話す本川の表情は明るかった。