リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
リーガ八百長問題で選手が大量逮捕。
主犯は元レアルDF、なぜ悪の道に。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2019/06/07 11:15
レアル・マドリー時代のラウール・ブラボ(左)。所属当時はサイドバックの貴重なバックアッパーだったが……。
今季の1部最終節でも八百長が?
ロペスは今年37歳のCB。フェルナンデスは守備的MFで、先述のとおり今季をもって引退している。
ウエスカの会長はオーガナイザー2人との間に金銭問題を抱えていたようだ。クラブの会長室で、「12万5000ユーロ(約1500万円)」や「借金」と並んで2人の名前が書かれたメモが見つかっている。
チーフドクターのガリンドは間接的な八百長支援が疑われており、試合前のロッカーで「紳士協定があるからな。ちゃんと守れよ」という声を聞いた者がいる。
ギリシャ語で「家」を意味する「オイコス作戦」と名付けられた今回の捜査は、昨季のウエスカ対ヒムナスティックから始まった。加えて、今季のリーガ1部最終節バジャドリー対バレンシアでも八百長が行なわれたと警察は睨んでいる。
ボルハの逮捕は、そこから来ている。
ボルハとブラボは試合2日前に……。
被疑者たちの通話記録やメッセンジャーアプリの記録を掴んでいる警察によると、昨今ボルハとブラボは頻繁に会っていたわけではなく、今年に入ってからは1月に一度ブラボが訪ねてきただけだった。
それがくだんの試合の2日前、バジャドリー市内にあるボルハのバルで2人は顔を合わせている。
警察に理由を問われたボルハは、「監督ライセンス取得中のブラボから『バジャドリーのカンテラで実習したいので取り次いでくれ』と頼まれただけ」と答えたが、ブラボは返答を拒んだらしい。
今季の最終節は、バレンシアにとってはCL出場権をかけた決戦だった。対するバジャドリーにとっては1部残留決定後の消化試合だった。オーガナイザーにとっては、仕掛けやすい一戦だったのだろう。