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錦織圭が最終セットで異例の3連敗。
全仏ではナダルの山、活路はフォア?
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2019/05/25 17:00
今季のクレーシーズンは今ひとつ振るわない錦織。全仏での巻き返しといきたいところだ。
基本だが奥深いクロスラリー。
クロスラリーはテニスの基本だが、決してやさしいショットではない。今のトップレベルのプレーにおいては、という意味である。相手は常にチャンスを待っているので、少しでも甘くなればダウン・ザ・ラインなどに攻め立てられる。
そこで、“普通”のクロスでは不十分、威力のある、質の高いクロスであることが要求される。だから、深いクロスは「ハードクロス」でなくてはならない、と言い切るコーチもいる。
錦織が打とうとする「クロスに跳ねるボール」も当然、そういうショットでなければならない。いかにコンスタントにこれが打てるか、それが上位進出の条件となりそうだ。
会場入りしてからの練習を見ても、フォアの調子は悪くない。ここまでの練習で、必要な修正はできていると見ていい。ただ、練習と実戦は別ものだ。実戦で思ったようなフォアハンドが打てれば、その手応えが自信を生み、大事なポイントでの思い切りを引き出すはずだ。
フォアの調子が上がらないまま終わる可能性もなくはないが、一戦ごとにギアを上げていくのではないか。その意味で、今大会はいつも以上に初戦、2回戦の内容が問われる。