マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
2019年ドラフトの上位12人・後編。
野手では東邦・石川昂弥が最有力?
posted2019/05/09 07:05
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Kyodo News
「2019ドラフト中間報告」、最初に名前を挙げた6人……つまり“1位当確”と読んだ6人はすべて「投手」だった。
2019年「令和」最初のドラフトは、投手のドラフトになりそうだ。
とりわけ、指名が重複するのは「高校生投手」。昨年のドラフトで、1位指名が報徳学園・小園海斗(広島)、大阪桐蔭・根尾昂(中日)、同・藤原恭大(千葉ロッテ)の高校生野手3人に集中したように、今年は、大船渡高・佐々木朗希、星稜高・奥川恭伸の2人の高校生右腕に12球団の指名が二分されて集中する……そんな事態になりそうな気配があるのが、ここまでの「2019ドラフト」の“ほんとのところ”なのだ。
さあ、ここからの6人だ。
クリーンアップを打てる高校生三塁手。
エースとして、主力打者として、投げて打ってチームを30年ぶりのセンバツ優勝に導いた東邦高・石川昂弥の評価が上がっている。
プロ側の評価は、右中間方向へも引っ張ったような痛烈な打球でスタンドにたたき込める豪打についての評価だ。
プロ野球の華といわれながら、今の球界に見当たらないクリーンアップを打てる大型三塁手。今年は「野手」を、と考えている球団、たとえば松田宣浩の後継がなかなか出てこないソフトバンクや、地元・中日あたりが、遊撃・根尾昂との三遊間コンビで、などと考えた時に、あえて佐々木、奥川の“多数重複”を避け、いきなり「石川」でドーン! というサプライズがあったりするのでは……。
センバツの大奮闘で、人間としての心身の粘り強さも証明してみせた石川昂弥だけに、プロの見方も変わってきている。
ようやく「野手」が1人登場したところで、話はまた「投手」に戻る。それほどに、今年のドラフト戦線には、見る者の心を震わせてくれるバットマンが少ない。
このあたりから、社会人の快腕たちが名乗りをあげ始める。