Jをめぐる冒険BACK NUMBER
清水と磐田が覇を争った1999年CS。
澤登の超絶FK、残酷なPK戦の結末。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2019/05/07 11:30
清水の象徴だった澤登正朗(右)に、磐田の有望株として台頭してきた高原直泰。静岡ダービーは熱く燃えていた。
アジア王者・磐田が見せた意地。
一方、セカンドステージで低迷しながら、最後はタイトルを手にするところに、磐田の意地が見て取れた。この年4月には、アジア王者に輝いている。イランのエステグラルとの決勝では、殺気立つ約12万人の観衆を敵に回して栄光を掴み取った。修羅場をくぐり抜けるなかで身につけたタフさが、年間王者の称号を引き寄せた。
Jリーグの歴史において、チャンピオンシップでダービーマッチが実現したのは、後にも先にもこのとき限り。交錯するサッカー王国のプライドに、スリリングな展開と悲運が絡み合い、このゲームは長く語り継がれるものとなった。
■1999年Jリーグ チャンピオンシップ 第2戦■
1999年12月11日/19:33キックオフ
日本平スタジアム/入場者数20309人
清水2-1磐田
(延長1-0)
(PK 2-4)
【得点者】清水:澤登(37分)、ファビーニョ(99分)、磐田:服部(34分)
【警告】磐田:山西(29分)、福西(38分)、服部(56分)
【退場】清水:アレックス(35分)
【出場メンバー】
<清水エスパルス>
GK 1 真田雅則
DF 25 市川大祐
DF 2 斉藤俊秀
DF 22 西澤淳二
(→86分 DF 6 大榎克己)
DF 4 戸田和幸
MF 7 伊東輝悦
MF 5 サントス
MF 10 澤登正朗
MF 8 アレックス
FW 15 久保山由清
(→96分 FW 9 長谷川健太)
FW 21 安永聡太郎
(→68分 FW 12 ファビーニョ)
監督 ペリマン
<ジュビロ磐田>
GK 1 尾崎勇史
DF 34 安藤正裕
DF 2 鈴木秀人
DF 17 前田浩二
DF 14 山西尊裕
MF 10 藤田俊哉
MF 35 三浦文丈
MF 6 服部年宏
MF 8 奥大介
(→98分 MF 26 西紀寛)
FW 23 福西崇史
(→69分 FW 19 高原直泰)
FW 9 中山雅史
監督 桑原隆