話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
好調トリニータの追い風となるか。
FWオナイウ阿道に本格覚醒の予感。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/04/26 07:00
昨季J2でブレイクしたFWオナイウ阿道。彼の覚醒があれば、チーム目標の「J1残留」もはっきり見えてくるはずだ。
昨季J2で22得点、得点ランク2位。
ガンバ戦でゴールを挙げ、勝ち点1(1-1)獲得に貢献したオナイウ阿道は、2014年にジェフ千葉に入団後、'17年浦和に完全移籍し、昨季はJ2レノファ山口に期限付き移籍、今季から期限付き移籍で大分に加入した。昨年は山口で42試合22得点(得点ランキング2位)と結果を出し、FWとしての才能を覚醒させた。そのプレーを同じ舞台で戦って見ていた片野坂監督が気に入り、大分の新たな得点源として期待を込め、獲得に動いたのである。
開幕当初は途中出場が多かったが、チーム戦術にフィットしてくると第5節の広島戦で初スタメン。第7節の仙台戦で初ゴールを決めるとその流れから続くガンバ戦でスタメンを獲得し、2試合連続でのゴール(今季2点)を決めた。
「いい流れできているんで、調子は悪くないです」
ここにきて自信を深めている様子だ。
大分のリズムに馴染むオナイウ。
オナイウ阿道の特徴は、高い身体能力とスピードだ。
最終ラインでボールを回しながら相手の隙を窺う中、スペースを見つけて出したロングボールを相手と競り合ってキープする。スタートで6:4で負けても最後はマイボールにしてしまう強さがあるのだ。
大分はパスを回して攻撃していくスタイルだが、オナイウ阿道はドリブルしたり、こねたりせず、シンプルに味方にはたいて味方に活かしてもらっている。そうして攻撃のリズムを作り、そのリズムにうまく馴染んでいる。
「自分はそんなにうまい選手じゃないですし、周囲に活かされる選手。自分が持ってどうこうよりもそこは割り切って、自分の特徴を出すことをまず考えています。たとえば、今日の得点シーンのようにゴール前のクロスに入っていくプレーだったり、スペースに飛び出して最終ラインのボールを引き出すとかですね。
ロングボールを出してもらうのは個人的にも好きですし、チームの狙いとしてもボールを回す中、一番に狙うのが前の選手なので、その狙いは自分の得意のプレーとすごく合っていると思います」
試合では前半、スペースがなかったのでゴールシーン以外は思うようなプレーが難しかった。それでも後半、ガンバが前に出てきてスペースが出来てくるとカウンターなどでオナイウ阿道の良さが見えるようになった。