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金子弌大が認め、山本由伸は憧れ。
神戸で実現したオリ新旧エース対決。 

text by

田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byKyodo News

posted2019/04/23 11:30

金子弌大が認め、山本由伸は憧れ。神戸で実現したオリ新旧エース対決。<Number Web> photograph by Kyodo News

山本は2年目の昨季、リリーフとして54試合に登板。今季は開幕ローテ入りし、エースとして期待される。

「完璧すぎて話せなかったです」

 山本投手は150km台中盤のストレートだけではなく、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク、ツーシームなどを投げ分ける器用さも持ちます。金子投手も20代の頃は150km台中盤のストレートを投げ、今でも様々な変化球を駆使しています。

 2人は持っている球種もほとんど同じ。プロ2年目に一軍で結果を残し、3年目で先発ローテに入ったことも同じ。

「僕は練習中の金子さんの動きをよく見ていました。練習への取り組み、捕手とのコミュニケーション、ブルペンの内容、トレーニング法、時間の使い方、すべてが完璧な方でした。無駄がなさ過ぎて、喋りかけるタイミングがわかりませんでした……完璧すぎて話せなかったです」

 金子投手と同じチームで過ごした、わずかな時間。「話せなかった」と山本投手は言うものの、その行動を見て学んでいました。

初対決はかつてのエースに軍配。

 オリックスの原点の地・神戸で行なわれた2人の初対決は、3回まで両者ともに無安打という圧巻の投球。6回4失点の山本投手に対して金子投手は5回無失点と、軍配はかつてのエースに上がりました。

 2008年から10年間で7度の2ケタ勝利を挙げてオリックスを支えてきた金子投手と、将来のオリックスのエースとして期待される20歳・山本投手。15歳も歳の離れた2人ですが、冷静な表情ながらも、互いに1球1球、自分のボールを見てくれと言わんばかりに投じているように見えました。

 神戸の夜、時代の変わり目を前にして、平成のオリックスを支えたエースと、令和のオリックスを作り上げていくエースの「マウンドでの会話」がそこにはありました。いつか、2人が本当に会話する日が来ることを待ちわびています――。

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