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オランダでもがく板倉滉の逆襲。
「堂安がA代表、自分はアンダー」 

text by

林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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photograph byVI Images/AFLO

posted2019/04/06 11:30

オランダでもがく板倉滉の逆襲。「堂安がA代表、自分はアンダー」<Number Web> photograph by VI Images/AFLO

マンチェスター・シティ移籍が話題となった板倉滉だが、まずはオランダの地で自らの能力を発揮したい。

U-22日本代表招集という転機。

 果たして、板倉は3月下旬に行われた東京五輪1次予選を兼ねたAFC U-23選手権予選に挑むU-22日本代表に選出された。

「これまでのチーム作りの中でやってきてくれたことを評価した。力を持っていることは間違いないと思うので、そこを生かしてもらいたいと思っている」(森保監督)

 オランダで試合に出ていないことは承知の上で、それ以上のものをもたらすはずという信頼。森保監督の期待に応えるために、そして自分自身のためにもこの機会を逃すわけにはいかなかった。

「自分にとって、この大会はプラスだと思っている。ヨーロッパは寒いので、暑いところに来て試合をしないといけないのは、今のA代表の選手たちはずっとやっていること。そういうのにどんどん慣れていかないと。初めてだけど、こういう経験ができるのは大きい。こっちで活躍することで、何らかの形でクラブにも情報が入ればいいなと思う」

「試合に出ないと始まらない」

 結果的にチームは3戦3勝で予選を突破。過酷な環境下で板倉は2試合に出場し、CBとボランチを器用にこなすポリバレント性を発揮しながら2つのゴールで自身の価値を証明した。また、海外で培った球際の激しさや冷静沈着なゲームコントロールでも存在感を発揮するに至っている。

 ミャンマーの地で残した結果がフローニンゲンの下に届いたのかはわからない。ただ、板倉にとって1つ吹っ切れる大会になったことは間違いない。

「いろいろなプレッシャーもあるし、まだ何もプレーしていないけど、日本に帰る気はないし、こっちでやりたい。試合に出ないと始まらないので、とにかく自分がやるだけだなと思います」

 優しい表情から溢れる言葉のひとつひとつに確かな覚悟を感じた。

 まだまだここから。何事も自分次第。

 この険しい道のりを超えた時、また違った景色を見ることができるはずだ。

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