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MGC優勝者が東京五輪に行けない?
国際陸連の「後出しじゃんけん」。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byYuki Suenaga
posted2019/04/07 11:00
現在の規定のままだと、日本記録保持者・大迫傑がMGCで優勝をしても、五輪に出場できない可能性がある。
米国も日本と同じ問題を抱える。
国際陸連の決定には、国内だけでなく、世界の選手や関係者が不満を感じている。
トラック&フィールド種目はこれから本格的なシーズンに入るため、少なくとも参加標準記録に挑戦する機会は何度もあるが、マラソンは準備期間が必要なため、何度も出場するのは難しい。
また国際陸連の認定するゴールドラベルのレースで5位以内、ロンドンやボストンなどのメジャーマラソンやドーハ世界陸上で10位以内に入った場合、タイムに関わらず、参加標準記録を切ったこととみなすというルールを設けている。日本では東京マラソンなど7レースがゴールドラベルだが、MGCはそれに該当しない。
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日本と同様にマラソンの選考レースを行うアメリカは今回の決定に異議を唱え、選考レースをゴールドレベルに認定するようにすでに国際陸連に働きかけをしている。日本も同じような訴えをすれば、特例として認められるかもしれない。
現在のルールでは選手たちがタイムのために何度もマラソンを走らなければならない可能性があり、それは怪我のリスクが増える。
4年に一度の舞台に選手たちが万全の状態でスタートラインに立てるように願ってやまない。
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