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柏に3失点も「スッキリした敗戦」。
手倉森監督は長崎をどう進化させる?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/04/06 10:30
長崎は開幕7試合で2勝1分け4敗の20位というスタートとなった。しかし手倉森監督なら逆襲の算段を整えているはずだ。
スタメン5人入れ替えに見た覚悟。
「今シーズンのJ2が始まって初めて、このテンポとテンションでサッカーをさせてもらった。自分たちが目ざさないといけないサッカーのクオリティとスピードとパワー、ゲームへの入りの勢いをまざまざと教えてもらって、柏には感謝しないといけないと思います。このテンポとテンションを、我々は示さなければいけない。それをまさに、(J1昇格の)ライバルの柏に教えてもらった」
大宮に0-1で敗れた前節から、手倉森監督はスタメンを5人入れ替えている。韓国人センターバックのイ・サンミンはそのひとりで、3失点のうち2失点は彼を含めたコンビネーションの甘さを突かれた。
柏の攻撃力はリーグ屈指だ。現実的に考えれば、スタメンの変更は最小限にとどめたほうがいい。それでも先発に手を加えたところに、指揮官の覚悟がうかがえる。
「辛抱させられているリーグで辛抱できる選手をたくさん作りたいので、メンバーを替えながらやっていくと、チーム内で話している。まだまだ辛抱していかないといけない状況は続きますけど、今日の負けをきっかけにしなければいけない」
システムの併用がモノになりそう。
きっかけがないわけでない。1本のシュートも記録できなかった前半とは違い、後半は6本のシュートを放った。GK中村を慌てさせる場面もあった。柏が意図的にペースダウンをしたところはあったものの、4-4-2から4-3-3へ立ち位置を変えたことが奏功している。
2点を追いかけた4節の甲府戦でも、4-3-3への変更後はボールの流れがスムーズになった。ふたつのシステムの併用については、指揮官も「モノになっていきそうな手ごたえをつかめた」と話している。
あとは、トレーニングで育む自信を確信へ変えられるか。そのためには勝利が必要だ。
昇格候補にあげられる甲府、大宮、柏とのゲームでは、いずれも前半の入りがよくなかった。
「J2で優勝する、J1に昇格する、そのためにこのゲームを取らなきゃといった気持ちから、慎重に入ったところがあるのかなと。その3試合で勢いを持って入る重要性を思い知らされたので、次からは仕掛けていきたいです」