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中島翔哉、堂安律、久保建英らは
「令和」の国民的ヒーローとなれるか。 

text by

吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2019/04/04 17:00

中島翔哉、堂安律、久保建英らは「令和」の国民的ヒーローとなれるか。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

堂安律と中島翔哉の将来性には誰もが期待する。彼らの活躍が社会現象になった時こそ、国民的ヒーローとなれる。

男子サッカーで国民栄誉賞は……。

 分かりやすいのが、国民栄誉賞だ。

 王貞治さん、衣笠祥雄さん、松井秀喜さん、そして長嶋さん。過去に4人の受賞者を輩出した野球界に対して、男子サッカー界からはまだ1人の受賞者も誕生していない。プロ化以前の話になるが、1968年のメキシコ・オリンピックで得点王に輝き、日本に銅メダルをもたらした釜本邦茂さんにも、その栄誉は贈られていないのだ。

 もし、52歳となってもなお現役を続けるカズがスパイクを脱ぐ時が訪れれば、きっとそんな話題も持ち上がるのだろうが、しかし残念ながら、その後に名前が続かない。

 プロ野球の奥深さを感じるのは、現役時代は受賞を拒否してきたイチローのみならず、さらには大谷翔平という未来の有力な候補者も、すでに控えているということだ。イチローは引退会見で、「世界一の選手にならなきゃいけない」と大谷を評したが、はたしてカズがそう太鼓判を押せる選手が、現在の日本サッカー界にいるだろうか。

 人気の凋落や底辺の縮小が指摘されるとはいえ、それぞれの時代に必ず稀代のスーパースターを産み落とす、野球の底力はやはり侮れない。

メッシ、ロナウド級を求められる?

 もちろん、“ハードルの高さ”は承知している。競技人口が圧倒的に多く、そのぶん活躍に対する要求度も高いサッカー界で、野球界におけるイチローばりの評価を受けるには、例えばイングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガで、2年連続得点王に輝くくらいの結果を残す必要があるだろう。

 あるいは、バルセロナやマンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブの主力としてチャンピオンズリーグを制覇し、バロンドールを獲得するか。そう、つまりはリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのような活躍だ。

 チームとしてなら、なでしこジャパンと同じくワールドカップで優勝するしかないが、こちらのハードルの高さは言うまでもない。自国開催の2020年東京オリンピックも、金メダルが条件となればなかなか難しいだろう。

【次ページ】 時代を象徴するアスリートとして。

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