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中島翔哉、堂安律、久保建英らは
「令和」の国民的ヒーローとなれるか。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byNaoya Sanuki
posted2019/04/04 17:00
堂安律と中島翔哉の将来性には誰もが期待する。彼らの活躍が社会現象になった時こそ、国民的ヒーローとなれる。
時代を象徴するアスリートとして。
国民栄誉賞に話が傾いてしまったけれど、とにかく強く願うのは、日本サッカー界からもその時代を象徴するようなアスリートが、いつか生まれてほしいということだ。
雰囲気を漂わせている選手なら、何人か思い浮かぶ。例えば中島翔哉、堂安律、そして久保建英……。ヨーロッパの中堅クラブでレギュラーを掴む、ワールドカップでベスト8に進出する。だから彼らには、その程度で満足してほしくはない。
イチローの引退会見の言葉を引く。
「あくまで秤は自分の中にある。それで自分なりにその秤を使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。だから少しずつの積み重ねが、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね」
日本サッカー界の未来を担う若者たちは、どんな秤を持って、どこに限界を設定しているのだろう。
「一気に高みに行こうとする必要はない、後退もしながら、自分がやると決めたことを信じてやっていけばいい――」
イチローの言葉を、彼らはどう受け止めただろう。
プロ野球とJリーグの歴史的な隔たりは、決して埋まるものではない。けれど、新しい元号も決まったことだ。
「昭和の長嶋」、「平成のイチロー」に続く「令和の国民的ヒーロー」は、きっとサッカー界から誕生すると、私は信じている。