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豊川雄太、ベルギー2年目の7ゴール。
「結果を残せば未来が開けるんです」
posted2019/03/30 17:00
text by
菊池康平Kohei Kikuchi
photograph by
Kohei Kikuchi
豊川雄太という、めっぽう勝負強いストライカーを覚えているだろうか?
鹿島アントラーズ、ファジアーノ岡山を経て2018年1月、23歳の時にベルギー1部リーグのオイペンに移籍したが、当時チームは2部落ちの危機に瀕していた。しかし3月11日のリーグ最終戦で後半12分から出場。3得点1アシストと大活躍して、1部残留の立役者に。試合終了後にはサポーターに胴上げされた。
「3本打ったシュートが全て決まったんですよ。本当に奇跡のような体験でした」
豊川は、当時を興奮気味に振り返った。
この活躍により「TOYOKAWA」の名前がベルギー全土に知れ渡ると、昨年7月から始まった今シーズンも、信頼を得て定位置を確保している。ここまで挙げたゴール数は「7」。これはチーム内2位の数字で、今季も実績を残しているのだ。
それでも、現地で直撃した豊川はこのように語る。
「今シーズンの前半戦は4点しか取れなかったので少なく感じています。本当は前半戦で7点くらい取りたかったんです。ただ、ここ数試合で3ゴール取れて良い状況になってきました。センターフォワードのワントップをやり始めてまだ浅いので、試合をやるたびに色んな発見があって楽しいんですよ」
ハードなマークを受ける中で。
豊川は取材場所のカフェで「そんな中での怪我なんで。人生そんなにうまくいかないなと思いますよ」と話し、アキレス腱付近を氷で冷やしていた。その様子は店員からも「何があったんだ?」と質問されるほどだ。
聞けば、屈強なディフェンダーにアキレス腱付近を激しく蹴られたという。2試合の欠場を強いられたが、幸いにも怪我の症状は軽く、現在はピッチに戻っている。
冒頭に挙げたハットトリックはインパクト絶大だった。しかしその分、豊川に対するマークは厳しくなっている。今回の負傷はその証左とも言えるだろう。
「1番前(センターフォワード)をやっているので、マークをされている中でも点を取らないといけない。今のチームはチャンスがたくさんあるチームではないので、少ないチャンスを決めることが勝利につながるので常に集中しています。この前の試合(2月16日のオーステンデ戦)みたいにシュート1本で1点とかの試合があるので、決定率を高めることが大事なんです」