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「メジャー優勝」を正夢にするため、
畑岡奈紗のイメージが整い始めた。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2019/03/27 07:30
アメリカでも充実の表情の畑岡奈紗。アメリカでの挑戦で日々たくましさを増している。
全米女子プロでの猛チャージ。
世界ランキングでもトップ10入りを果たした充実のシーズンにあって、優勝以外にも大きなハイライトがあった。41年ぶりの日本人メジャー制覇にあと一歩に迫った7月の全米女子プロ選手権である。
最終日を9打差の23位からスタートした畑岡は、2イーグル、5バーディー、1ボギーの64と猛烈なチャージで首位に並んだ。
朴城炫、柳簫然とのプレーオフは1ホール目で脱落したとはいえ、前週に米ツアー初優勝を飾った勢いのままにメジャータイトルにも手が届くだけの実力を示した。
3カ月前に打たれていた布石。
このプレーオフにも布石があった。
全米女子プロでのプレーオフからさかのぼること3カ月、畑岡はカリフォルニア州ミッションヒルズCCで行われるメジャー大会、ANAインスピレーションでのことだ。
結果は48位だったが、自らのプレーが終わってもすぐに会場を離れることなく、三つ巴のプレーオフにもつれ込んだ優勝争いを会場に残って観戦していた。
「なかなか自分の調子が上がっていなかったけど、いつかそういう風に自分もメジャーでのプレ―オフになったときに、勝つ選手というのはどういう戦いをしているのか最後まで見ていこうと思った」
惜しむらくはこのプレーオフが8ホール目までもつれこんで翌日順延となり、畑岡が決着の瞬間までは見届けられなかったこと。
もしメジャーチャンピオン誕生の瞬間まで目の当たりにしていたら、より鮮明になったイメージは3カ月後のプレーオフで畑岡になにがしかの影響を及ぼしたかもしれない。