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高松宮記念も「強い4歳」が制覇。
福永祐一は天国の相棒に最高の報告。

posted2019/03/25 16:00

 
高松宮記念も「強い4歳」が制覇。福永祐一は天国の相棒に最高の報告。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

スプリント王に輝いたミスターメロディ。騎乗した福永は今後の成長にも期待を寄せる。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 天国の名馬が、主戦騎手に力を与えたかのような勝利だった。

 春のスプリント王を決める第49回高松宮記念(3月24日、中京芝1200m、4歳以上GI)を、福永祐一が騎乗する3番人気のミスターメロディ(牡4歳、父スキャットダディ、栗東・藤原英昭厩舎)が優勝。

 福永は、勝利騎手インタビューで、「レース後、キングヘイローが後押ししてくれたのかな、と思いました」と、自身を成長させてくれた、かつてのパートナーへの思いを口にした。

 前走まで3戦連続芝1400mを使われてきたミスターメロディにとって、(ダート1200mは経験するも)芝1200mのレースを走るのは、これが初めてのことだった。

「スタートはよかったのですが、じっとしていると置いていかれそうになったので、促してポジションを取りに行きました」と福永。

 その判断が奏功し、スムーズなレースをすることができた。

福永「やりたい競馬ができた」

 3コーナーで、1番人気のダノンスマッシュが内に斜行した。それにより、アレスバローズとナックビーナスの進路が狭くなり、手綱を大きく引くロスとなった。不利を受けた2頭の内からミスターメロディが1馬身ほど前に出たのは、その1秒ほど前のことだった。前に出るのがあと少し遅くなっていたら、2頭と同じように不利を食らっていたはずだ。

 ミスターメロディは先頭から3、4馬身離れた4、5番手の内で脚を溜めた。

「やりたい競馬ができた。いいところにハマることができました」

 前半3ハロンは33秒2、後半3ハロンは34秒1という、遅くはないが、乱ペースというほど速くもない流れにおいて、まさに絶好位と言えるポジションだった。

【次ページ】 すべての展開が好都合に運んだ。

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