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高松宮記念で父子制覇を狙う2頭。
GI馬に初騎乗の藤田菜七子も注目。
posted2019/03/23 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
「ダービー馬はダービー馬から」という格言がある。ダービーを制した父の産駒がダービーを勝つ、という意味だ。
過去10回の日本ダービーを見ていくと、昨年のワグネリアン、2016年のマカヒキ、'13年のキズナ、'12年のディープブリランテが、父ディープインパクトとの父仔制覇を達成。
一昨年のレイデオロ、'15年のドゥラメンテが父キングカメハメハと、'09年のロジユニヴァースが父ネオユニヴァースと父仔制覇をしており、実に、10頭中7頭が格言どおりの父仔制覇を果たしている。
では、今週の第49回高松宮記念(3月24日、中京芝1200m、4歳以上GI)はどうか。
他界したキングヘイローの娘が1頭。
スプリントGIとなった1996年(最初の2回は「高松宮杯」)以降、昨年までの23回で父仔制覇を果たしたのはひと組だけ。父キングヘイロー('00年優勝)と仔ローレルゲレイロ('09年優勝)である。
そのキングヘイローが、今週火曜日(3月19日)、老衰のため死亡した。24歳だった。
自身にとって唯一のGI勝ちとなった高松宮記念当週に世を去ったわけだが、今週走る18頭のなかにも産駒がいる。
8枠18番のダイメイプリンセス(牝6歳、栗東・森田直行厩舎)だ。鞍上は14年にここを勝っているミルコ・デムーロ。
重賞勝ちは昨年のアイビスサマーダッシュだけだが、2走後のスプリンターズステークスでコンマ2秒差の4着に差してきた。レッツゴードンキ(5着)やナックビーナス(7着)といった人気馬に先着している。
競走馬というのは、近いところにいた人馬が亡くなると、天国へはなむけを贈るかのように好結果を出すことがままある。最近では、種牡馬ゴールドアリュールが'17年2月18日に死亡すると、翌日のフェブラリーステークスで、産駒のゴールドドリームがGI初制覇を遂げた。