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秋山翔吾が3番、では1番は誰に?
西武の命運を左右する金子侑司。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/03/21 11:30
オープン戦では全試合で出塁し、打率も3割越えをキープ。昨季、不振に苦しんだ金子の奮起に期待したい。
「期待できるかな」(赤田コーチ)
もうひとつ、メンタル面の課題として赤田コーチが挙げたのが、「貫く勇気」である。
春季キャンプのシート打撃でこんなシーンがあった。
金子が3ボールから打った当たりはファウルだったが、もし、少しずれてダイヤモンド内に飛んでいたらボテボテのファーストゴロになるような当たりだった。
赤田コーチは金子に言った。
「そういうときに、がっつくのではなくて、しっかりバットを振る方向性を出していこう。しっかり自分のスイングで振って、それでアウトになったらしょうがない。全部が全部ヒットになるわけじゃない。でも、自分のスイングをするという意識で打席に立てばヒットになる確率は上がっていくから」
「期待できるかな」というところまでは着実に来たと赤田コーチはキャンプ序盤に語っていた。オープン戦でのここまでの成績は、金子の言葉通り「取り組んできたことが徐々に結果となって表れてきた」経過である。
新オーダーを左右する存在。
金子は昨シーズンの話題になると、表情を引き締めてこう語る。
「去年、チームは優勝してうれしかったけれど、個人的にはすごく悔しいシーズンでした。今年、結果を残せなかったら『自分はここまでだ』と覚悟を決めてやってきました。開幕までの間も、『内容のある打席』を意識して試合に臨みたいと思います」
ライオンズは3番を打っていた浅村が移籍し、そこには秋山翔吾が入る新オーダーでオープン戦に臨んでいる。秋山に代わる新たなトップバッターを確定することは、ライオンズにとって急務。金子が1番打者として結果を残せるかどうかは、ライオンズの今シーズンの成績を左右すると言っても過言ではない重要な課題である。
「去年もずっと監督が使ってくれたのに、その期待に応えられませんでした。今年こそは、しっかり期待に応えたいと思います」
プロ入り7年目、金子にとって正念場ともいえるシーズンがスタートする。