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DeNAの新1番に楠本泰史が名乗り。
ラミレス監督も「近いうちに1番」。
posted2019/03/21 10:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Kyodo News
シーズン開幕に向け最後のアピールがつづいているオープン戦。横浜DeNAベイスターズの外野陣において、現時点でレギュラー当確ランプがついているのはキャプテンの筒香嘉智と、セカンドとの兼用を予定しているネフタリ・ソトだけである。
残りの1~2枠を争っているのは、一昨年までレギュラーだった桑原将志に、昨季台頭した神里和毅、怪我からの復帰に向けて調整中の梶谷隆幸、そして若手の細川成也に宮本秀明、内野兼任の佐野恵太ら。
そんな熾烈な争いの中でキャンプからアピールに成功しているのが2年目の楠本泰史だ。
オープン戦の成績(以下、データは3月20日現在)は、打率.405、OPS.1.045、得点圏打率.667。40打席と少ないチャンスながら結果を残している。ラミレス監督は「ポテンシャルはあるし、センターとライトを守れる。近いうちに1番での起用も考えている」と、現在、頭を悩ませているリードオフマン候補として期待を寄せている。
1年目の悔しい経験。
しかし、楠本に現状に対し尋ねると、表情を緩めず慎重に言葉を選んだ。
「オフシーズンにやってきたことが結果となり出ているのはいいことだと思うのですが、あくまでもシーズン前のピッチャーのボール。きっとシーズンに入れば違う仕上がりでしょうし、コースも厳しく、そう簡単には打たせてはくれない。だから慢心することがないよう自分には言い聞かせています」
苦い経験がある。
昨年のルーキーイヤー、楠本はオープン戦で結果を出し、新人ながら開幕一軍を手に入れたが、いざ試合に出ると思い描いたようなプレーを披露することはできなかった。凡打を重ね一軍と二軍を行き来し、ようやく初ヒットが出たのは6月に入ってからだった。最終成績は56試合に出場し、打率.205。まわりからは「ルーキーのわりには良くやったよ」と声をかけられたが、楠本はそのたびに悔しさで唇を噛んだ。