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磐田黄金期の礎を築いたドゥンガ。
怒れる男の愛に溢れたメッセージ。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph bySachiyuki Nishiyama
posted2019/03/02 11:30
雰囲気は少しだけまるくなったが、ドゥンガの威厳は変わらない。闘将は健在だ。
彼の経験と知見をもっと活用したい。
ブラジル国内では「不器用な選手」の象徴のような存在で、試合でセットプレーを任されることはついぞなかった。しかし、「ジュビロでは攻撃面の貢献も求められた」と顔をほころばせた。あくまでも勝つことに執着する闘将とて、実は攻撃が、ゴールが大好きだったのだ。そのことを知って、彼の人間味を感じた。
選手として4カ国を舞台に約18年、監督として約7年、合計約25年のキャリアを通じて極限まで勝利を追求してきた男の言葉は、示唆に富んでいた。
これだけの男が日本と日本人と日本サッカーをこれほどまでに愛してくれているのだから、日本サッカーは彼の経験と知見をもっともっと活用すべきではないか――。そう思いながら、彼の自宅を後にした。