オリンピックへの道BACK NUMBER
高橋大輔が光源氏に。2019年夏、
あの『氷艶』が帰ってくる!
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2019/02/26 17:30
左から元宝塚男役トップの柚希礼音、荒川静香、演出の宮本亜門、光源氏を演じる高橋大輔、俳優の福士誠治。
氷上で共演するアイスショー。
それは一断片に過ぎない。スケーターや役者たちの力の結集、小劇場からも着想を得たのではないかと思わせる豊かさが感じられた演出、さらにあのチームラボ、DRUM TAOら一級のスタッフにより、かつてない氷上での物語を体現した。それを示すかのように、フィギュアスケート、歌舞伎、映像などさまざまな場で反響があった。
やり遂げたという自負は、1回目に引き続き出演する高橋の言葉にも現れていた。
「今回が2回目になります。アイスショーでもアーティストの方であったり、(他の分野の方と)コラボレーションすることはあります。でも舞台と氷とが分かれた形での共演でした。氷の上でほかの方々と共演するアイスショーはほかにはないと思います」
また、通常のアイスショーでは開演の3日前くらいに出演するスケーターたちは顔を合わせてショーを作り上げるが、氷艶は1カ月ほど時間をかけて稽古をするという。
それは現役選手として競技生活を送る上で、マイナスに働く懸念もある。宮本もこう語る。
「やっていいのか、散々聞きました。選手として障害になることはないの? と聞いたんです」
「稽古は糧になるじゃないですか」
しかし、高橋はそれを否定する。
「まったくないですね。作品のための稽古と言っても、スケートをしているわけですから。もちろん、選手としての練習もプラスアルファしないといけないですが、プラスしているから得じゃない? みたいな感じですし、稽古は糧になるじゃないですか」
何よりも、氷艶に込めた夢がある。
「日本文化というものは日本人だからこそ表現できることだと思います。それを西洋のスポーツであるフィギュアスケートというもので演じることで、日本から世界に発信できるんじゃないかなと思うんです。そのためにも、ぜひ成功させて、いろいろな方に知っていただきたいと思っています」