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真凜も認める末っ子の本田紗来。
「私たちの中でいちばんすごい」

posted2019/03/04 08:00

 
真凜も認める末っ子の本田紗来。「私たちの中でいちばんすごい」<Number Web> photograph by AFLO

姉・望結と同じ芸能事務所に所属し、子役との二足のわらじを履いている。次戦は3月末の全関西ノービス競技会を予定。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 今シーズンもグランプリシリーズで数多くの選手が活躍しているフィギュアスケート女子。紀平梨花の成長に話題を奪われがちだが、ジュニア以下の若い世代でも楽しみな選手が何人もいる。そして先日、将来を嘱望される存在がまた1人、現れた。

 本田紗来。現在小学5年生の本田は、2月下旬に行われたチャレンジカップのアドバンスド・ノービスで、国際大会2戦目ながら見事優勝を果たした。

 ショートプログラムで首位に立つと、フリーでは冒頭でトリプルルッツ-トリプルトウループの3回転連続ジャンプを披露。計7つの3回転ジャンプを入れる難度の高い構成のもと、回転不足をとられるジャンプもあったがすべて着氷。フリーでも首位となり、2位に大差をつけての勝利だった。

 帰国すると、空港では多くの取材陣らが待ち受けた。

「こういうのは初めて。テレビで(宇野)昌磨君、羽生(結弦)君が帰ってきたときに見たことがある」

 と、驚きを示した。同じく優勝を果たした紀平梨花と帰国が一緒だったこともあるだろう。それを差し引いても、本田への関心の高さや期待も、十分そこには窺える。

姉・真凜も感じた成長。

 本田は兄に太一、姉には真凜と望結がいる「フィギュアスケート一家」で育ち、兄や姉らの姿を見て、3歳でスケートを始めた。

 テレビなどでも活動する姉らとともに出演する機会もあり、その存在は認知されてきた。ただ、そればかりが関心を集めてきた理由とは言えない。

 以前、真凜は「紗来が私たちの中でいちばんすごいんじゃないかと思います」と語ったことがある。その言葉を裏打ちするように、スケートでもたしかな成長を示してきた。

 2016年、小学3年生で出た初めての全国大会、全日本ノービス選手権ノービスBで4位の成績を残すと、翌年はこの年代での「壁」となるダブルアクセル-トリプルトウループを取り入れるなど長足の進歩を見せて、同選手権で優勝を飾る。

 今シーズン、ノービスAに上がると、近畿選手権で優勝。続く全日本ノービス選手権のノービスAでは2位と立派な成績を残してきた。

 この時、表彰台に乗った他の2選手は中学1年生と2学年上。7月1日時点の年齢でカテゴリーが分けられるため、ノービスAは2シーズンであるのに誕生日によってこうした状況が生じる。この年代では、学年が2つ異なれば大きな違いになるが、その中での2位だったのだ。ある意味、常に不利な中で好成績を積み重ねてきたと言える。

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