マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
源田が人を育て、山川が技術を誇示。
西武キャンプは呆れるほどの充実度。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2019/02/25 07:00
一緒にノックを受ける源田壮亮(左)と山野辺翔(右)。背後で見つめる辻発彦監督の視線が鋭い。
ひっくり返った「最後の1球」。
ひっくり返ったのは、その日のバッティング練習の「最後の1球」だ。
「バックスクリーン!」と叫んで捉えた渾身のスイングから、高い放物線となった打球が、その通り、バックスクリーンの右端を直撃したから驚いた。
大砲、パワーヒッター、長距離砲。
西武・山川穂高は確かにその通りだが、それ以上に、バットコントロールとタイミングの第一人者であろう。
技術でホームランの打てる打者。
山川穂高のたくましい二の腕から生まれる次々に長打を眺めながら、あの打球のひとつひとつが、彼の卓越したバッティング技術が生み出す“作品”なんだ……。
襟を正すような、それにしても呆れるような、そんな気分でいつまでも眺めていた。