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名波監督「間に合ってよかった」
ジュビロ逆襲の最前線は川又堅碁。
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/02/22 11:00
川又堅碁は2018年、磐田で最多となる11ゴールを挙げた。中村俊輔、大久保嘉人らとともに攻撃をけん引できるか。
アジア杯を逃しキャンプで負傷。
川又が次に目指したのが、今年1月のアジア杯出場だった。日本代表の指揮官に森保一監督が就任してから、自身初招集となった10月のキリンチャレンジカップ対パナマ戦では、終盤に途中出場すると、前線で強引に持ち込み左足を振り抜いてゴール。公式記録ではオウンゴールとなったが、新監督に存在を見せつけることができた。
ところが、その後右足を痛めたこともあり、アジアの舞台への出場も逃してしまった。
「狙っていた大会だったので悔しかった」とした川又の次の目標は、今夏に日本代表が出場する南米選手権だ。「そのためには結果を出さないといけない」と、昨年できなかったスタートダッシュを誓い、1月に地元で行ったチームの必勝祈願で出向いた神社では、絵馬に「前半戦10点 後半戦10点」と書き込んだ。
しかし災難は続く。シーズン前の恒例となった鹿児島キャンプ序盤には、大学生相手の練習試合で4戦4発と絶好調をアピールしたが、J1相手の練習試合を控えて利き足の左足を痛め離脱した。
30歳でも伸ばせる部分はある。
磐田に戻ってからもしばらく別メニューが続いたが、開幕戦を前にした2月19日、チームに完全合流。キャンプ中に実践した4バックや新加入選手とのすり合わせは必要だが、「(全力プレーも)怖くなかったし順調だ」と問題がないことを強調した。
ゲーム形式の練習などを経て「抜け出すタイミングも多くなるし、フリーでボールを出してくれる選手も多くなってきた」と今季序盤からのスタートダッシュに自信。エースの復帰に名波浩監督も、「間に合って良かった」と満面に笑みを浮かべた。
磐田に移籍し3年目を迎えた川又は今年30歳。加入以来、「まだ伸ばせる部分はある」と可能性を口にしてきた。
事実、かつてチームのエースとして活躍したFW中山雅史(現J3沼津)も、そして昨年加入したFW大久保嘉人も、ともに得点王を獲得したのは30代になってから。年齢を重ねてから輝きを放ったのだ。そして目の前には、J1最年長選手としてまだまだ輝き続ける中村というお手本もいる。