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名波監督「間に合ってよかった」
ジュビロ逆襲の最前線は川又堅碁。
posted2019/02/22 11:00
text by
望月文夫Fumio Mochizuki
photograph by
J.LEAGUE
昨年リーグ戦をまさかの16位で終え、続くJ1参入プレーオフで東京ヴェルディを破ってようやくJ1残留を決めた名門ジュビロ磐田。残留への安全圏と言われてきた勝点40を超える41を獲得しながらも、苦しんだ要因の1つは失点だ。
シーズン48失点はJ1ワースト7位だが、名古屋グランパスにクラブワーストタイとなる6失点、他にも清水エスパルスに5失点、浦和レッズに4失点などが相次ぎ、前年のリーグ最少30失点だった強固な守備が大きく後退した。
そして昨年苦しんだもう1つの要因が、増加した失点を補うだけの攻撃力が足りなかったことだ。
2017年にはリーグ5位だった50得点が、一気に同ワースト2位の35得点に激減。原因はMFアダイウトン、MF中村俊輔、MFムサエフと一昨年の攻撃力を支えてきた主力組の長期離脱である。
その影響で、ゴール量産が期待されたFW川又堅碁は、J1の舞台で初の2年連続2ケタ得点を達成しながらも、周囲の期待を下回る11得点で終えた。
昨シーズンは孤立した川又。
しかし今季、アダイウトンと中村が完全復帰し、さらにルクセンブルク代表FWロドリゲスも加入。「目立った大型補強はなかったが、昨年序盤で戦列を離れたアダイウトンと中村の復帰はそれ以上の価値がある」と複数の解説者が戦力アップを指摘する。
その価値ある攻撃陣の復帰で、今季さらなる飛躍を期待されるのが大砲・川又だ。
昨年チームが掲げたトップ5入りの目標へ、一昨年の14得点を超える量産を期待された川又だったが、攻撃陣の相次ぐ離脱で前線で孤立する場面が続いた。
シーズン前には、ロシアW杯出場に向け「開幕戦からスタートダッシュする」と明言。「年間で20得点を決めたい」と、J1新潟時代の2013年に獲得した23得点に次ぐゴール量産を目標に掲げたが、数字は低空を推移したまま終わった。そして期待されたロシアW杯出場も逃してしまった。