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藤田菜七子に沸いたフェブラリーS。
勝った武豊が「ぼくの初GIは6着」。
 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2019/02/18 11:30

藤田菜七子に沸いたフェブラリーS。勝った武豊が「ぼくの初GIは6着」。<Number Web> photograph by Kyodo News

GI初経験で堂々たる騎乗を見せて掲示板入りした藤田菜七子。フィーバーではあっても、フロックではない。

菜七子「思ったより落ち着いた流れ」

 松山弘平のサクセスエナジー(11番人気、8着)や、田辺裕信のサンライズソア(5番人気、6着)なども行くのではないかと思われていたのだが、武に遠慮したのか、それとも目標にされるハナよりも2、3番手のほうがいいと判断したのか、インティに競りかけて行かなかった。

 ペースが遅いと、馬群は縦長にならずに密集する。前半3ハロン通過地点は3コーナーの手前なのだが、逃げるインティから、最後方のコパノキッキングまで7、8馬身ほどの差があった。タイム差にすると1秒ちょっとだ。

 藤田の戦術は「前半は脚を温存して末脚を生かす」というものだったので、ペースがどうあれ、先頭からこのくらい離れた位置につけるつもりだったのだろう。しかし、道中がこうしたスローペースになると、前の馬も最後の直線で速い脚を使うことができるので、後ろの馬には苦しくなる。

「思ったより落ちついた流れになってしまいました。もっとペースが速くなってほしかったです」

 インティが先頭のまま直線へ。

 最後方のコパノキッキングは直線入口で大外に持ち出され、スパートした。

 藤田の叱咤に応え、コパノキッキングは内の馬たちを次々とかわして行く。

 しかし、インティも止まらない。2着のゴールドドリームの追い上げを首差でしのぎ、7連勝でGI初制覇を遂げた。

トップから1秒差の5着に……。

 コパノキッキングはインティに1秒離された5着。インティがラスト3ハロンを35秒4でまとめたのに対し、コパノキッキングは35秒2。コンマ2秒、つまり、1馬身ほどしか差を詰めることができなかった。

「キッキング自身は、頑張って伸びてくれました。このような大きなレースに乗せていただいて、オーナーのコパさん、村山先生、厩務員さん、すべての方々に感謝しています。これからは、普段のレースでも、もっといろいろ考えて乗っていけるようにしたいです」

 それでも、マイルが初めての馬を、道中、掛かることなく走らせ、メンバー中2番目の末脚を引き出す好騎乗で、6万人を超える観客を沸かせた。

【次ページ】 「菜七子でブリーダーズカップなんていいね」

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