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森保ジャパン準優勝はよく戦ったが、
痛かったイラン戦後の心の緩み。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/02/02 18:30

森保ジャパン準優勝はよく戦ったが、痛かったイラン戦後の心の緩み。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

準優勝に終わった、という経験はいつか生きる。森保ジャパンの初黒星は次へのステップになるはずだ。

イラン戦後に漂った楽観的な空気。

 自戒を込めて振り返れば、イラン戦後の取材エリアには楽観的な雰囲気が漂っていた。メディアの質問と選手の答えには、決勝を前にした緊張感が欠けていた。そして、周囲の空気はチームに忍び寄り、やがては包み込んでいくものである。

 日本と同じように韓国も、カタールに敗れている。準々決勝で0-1の苦杯をなめたが、内容でも圧倒されてはいない。どちらもビッグチャンスをつかめないまま時間が過ぎていき、日本戦で2点目を決めたハティムの左足ミドルに息の根を止められた。

 日本は韓国と違う。試合内容でも劣っていた。自分たちの強みを発揮することができず、個の力で局面を切り開くこともできなかった。

 森保監督のもとで戦う初めての国際大会として考えれば、準優勝という結果はそれなりに評価できるだろう。同時に、アジアで抜きん出た力を持つには至っていないことが、今大会で明らかになった。

 事前合宿を含めれば1カ月以上に及んだ今回の活動で、森保監督と選手たちは何を感じて、何をつかんだのか。チームも、個人も、より厳しい環境でレベルアップをはかっていかなければならない。

 森保監督が試合のたびに話していた「最善の準備」という言葉の意味を、オフザピッチまで視野を広げて日本サッカー界全体で考えていく必要がある。

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