フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
絶対女王がいない時代の欧州選手権。
不調のザギトワは、生き残れるか?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byNurPhoto via Getty Images
posted2019/01/30 11:00
人として、女性として当然の成長期ではあるのだが……世界トップクラスのスケーターにとっては命取りにもなりかねない事態でもある。
ザギトワは生き残れるか?
先述のように、ロシアには4回転が跳べるジュニア女子たちが後に何人も控えている。
だがザギトワ、メドベデワらも、このまま下から突き上げられて消えていくにはあまりにも惜しい選手たちだ。まだまだこれから、成熟していけばさらに素晴らしいスケーターになるだろう。
元欧州チャンピオンのカロリーナ・コストナーは、下から脅かす選手がイタリア国内にいなかったこともあり、31歳まで現役を続けてきた(今シーズンは休養しているが、まだ正式に引退表明はしていない)。
浅田真央も、小さな身体で良く跳ぶ少女から、成熟した大人のスケーターになるまで、常に自分の技術の改善、改革を続けた。
メドベデワがロシアから出たのも、おそらく彼女なりの危機感を持って、息の長いスケーターへと成長することを願ってだったのに違いない。
まだ16歳のザギトワは、この先トップに踏みとどまることができるのだろうか。
数年後、すっかり大人のスケーターにと成熟したザギトワの演技を見ることができることを願っている。