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内海哲也は西武でも謙虚な好青年。
天狗になりかけたプロ1年目の改心。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/01/26 09:00
西武第二球場での自主トレを公開した内海。ランニングや遠投、ノックで汗を流した。
「まずは人間関係から」
昨シーズン、ライオンズのチーム防御率はパ・リーグ最下位の4.24。規定投球回数に達したのは最多勝の多和田真三郎と、メジャーに移籍した菊池雄星の2人だったチームにおいて、内海の加入にはいやがおうにも期待が高まっている。
しかし、移籍先のライオンズで最年長となる、16年目のベテランは至って謙虚だ。
会見では質問者のほうに体ごと向け、質問に答える。
「早くマウンドに立ちたいけれど、チーム内の競争があります。まずはキャンプ、オープン戦でアピールして、競争に勝ってメットライフドームのマウンドに立ちたいです」
「キャンプでは毎年、やることは変わらないですね。仕上げた体を首脳陣に見てもらって、『使えるな』と思ってもらいたいです」
そして最年長であることを指摘され、チームを引っ張る意識はあるかと聞かれると、こう苦笑した。
「まだ、そんな、入ったばっかりでおこがましいです。まずはチームの皆さんに認めてもらえるように努めていきたいです」
「まだユニホームを着ていないですが、早く戦力の1人になれるように。まずは人間関係から築いていきたいです」
年下でも秋山選手、中村選手。
監督からの「開幕投手もあり得る」という言葉を伝えられると「いやいや、そんな風に言っていただけるのはありがたいのですが、まずはアピールしていく立場。1年間通して戦力になることが目標です」と首を横に振った。
会見の最中は、同僚となった後輩を「秋山選手、中村選手」と尊敬の念を込めて呼び、一回り近く年齢が下の選手にも、深々と頭を下げて挨拶をする。報道陣に対しても同じだ。
名刺を両手で受け取り、「内海です、よろしくお願いします」と一礼する。
評判通りの、その好青年ぶりに頭が下がる。