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長谷部誠はフランクフルトの皇帝。
円熟リベロにファンも絶大な信頼。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/01/25 10:30
試合中にチームメートと意思疎通を図る長谷部誠。日本代表を去った今も、彼は欧州組のトップランナーである。
気づけばバイエルンが……。
また、ディフェンディングチャンピオンのバイエルンがひたひたとドルトムントを追走しているのも見逃せません。
バイエルンのブレイク明け初戦は若き指揮官ナーゲルスマン率いるホッフェンハイムでしたが、バイエルンがホームチームを3-1と一蹴。今季加入のゴレツカが2ゴールしただけでなく、大エースのレバンドフスキがダメ押し点を決めたのも追い風になるはずで、分厚いマフラーを首に巻いてライン際で仁王立ちするコバチ監督も、何だか威厳が感じられるようになりました。
“盟主”の復活は厄介です。僕の住むアパートメントの大家さんの、ミーハーな娘さんは喜んでますが、「1強時代」に辟易している一般のブンデスリーガファンや各クラブのサポーターは苦虫を噛み潰していることでしょう。
これで首位ドルトムントと2位バイエルンの勝ち点差は6。3位のボルシアMGも勝ち点9差で追随していますが、どうやら今季の優勝争いは“2強”に絞られてきた様子です。その直接対決は4月6日の第28節。舞台はバイエルンのホームであるアリアンツ・アレナです。
日本人所属クラブが残留争い。
日本のサッカーファンにとって心配なのは、日本人選手の在籍チームの多くが残留争いを強いられている点ではないでしょうか。
久保裕也が所属するニュルンベルクは目下最下位。また、同勝ち点ながら得失点差で17位のハノーファーには原口元気と浅野拓磨がいます。ハノーファーのブライテンライター監督は最近、試合後の会見ではメディアから吊し上げ状態で半ばキレ気味なのが気がかり。
一方、宇佐美貴史が所属するデュッセルドルフが、ウィンターブレイクをまたいで4連勝を達成して14位に浮上したのは朗報です。でも油断は禁物です。
中位に留まる大迫勇也所属のブレーメンは開幕当初の好調ぶりから一転、前半戦終盤は苦戦が続きました。「ガムを噛んでないと指揮を執れない」というコーフェルト監督は試合毎に戦術や戦略を変更するタイプの指揮官ですが、最近はどうも“当たり”が引けてない様子です。