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「畑岡奈紗はAmazing Player!」
世界5位も感心、20歳の米国3年目。
posted2019/01/16 07:30
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
スマホのメモをチラチラ見ながら、たどたどしい英語で喋る。
「(米女子ゴルフツアーで)たくさん友達を作りたいです!」
2016年12月、最終予選会を突破した17歳の畑岡奈紗が、ルーキーミーティングで自己紹介した。この言葉は有言実行となる。米女子ツアーを通して、支え合う選手仲間がたくさんできた。
年齢や国籍は関係ない。だが、プロ生活は決して平坦な道のりではなかった。僅か2年間のうちにゴルフの厳しさや楽しさを存分に味わった。
2017年の米ツアー1年目、畑岡は打ちのめされた。
本来のスイングを見失い、予選落ちが続いた。試合後に「今日はすみません」と報道陣に一言だけ告げて、ゴルフ場を去ったこともあった。
初めての海外1人暮らし。英語もままならない。肝心の結果も出ない。
ルーキーを救った“先輩”。
苦しむルーキーの姿を見かねて、声をかけた先輩がいた。
米ツアー8年目のダニエル・カン(米国/26歳)である。
「18歳のルーキーが、たった1人で海外を遠征し続けることがどんなに過酷なことか……私はアメリカ人だけど、それでもツアー生活をしんどいと感じる時はありますから」
初々しい選手が新しい環境に不安を覚えて孤独を感じることは、同じ選手だからこそ、痛いほどよく分かるのだろう。
「とにかく奈紗のそばにいてあげたかったの。食事に誘ったり、一緒にプロアマパーティーに出かけたり。ちゃんと生活をしているのか奈紗の話を聞いて確かめたかったんです。ゴルフは個人競技だから、みんながライバルになりえます。でも一方で、かけがえのない仲間です。年間通してずっと一緒にいますから、お互いにサポートし合うのは当然のことです」