プレミアリーグの時間BACK NUMBER
無冠のポチェッティーノとサッリ。
カップ決勝進出へ執念の差が明確?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2019/01/12 11:30
プレミアを代表する名将のポチェッティーノと、今季からチェルシーの監督に就任したサッリ。どちらのクラブが決勝に進むか。
ジルー、モラタは信頼がない?
ノッティンガム・フォレスト(2部)とのFAカップでも、残り15分でベンチに下がったアルバロ・モラタの代わりに「偽9番」を務めたが、イングランド記者会の重鎮であるブライアン・グランビル氏の『サンデー・タイムズ』紙に寄せたマッチレポートで「不適当」の一言で片付けられたばかりだ。
トッテナム戦ではオリビエ・ジルーがベンチにいた。ただ足首の故障から復帰したばかりで、後半も残り10分まで投入はされなかった。モラタはFAカップでオドイのクロスから2ゴールを決めながらもベンチ外。チーム得点王でもあるアザールにフィニッシュも任せ、パスを繋いで攻め続ける方が得策ということなのだろう。
モラタの不在は、噂の移籍が絡んでいたのかもしれない。トッテナム戦を前に、サッリ体制下のナポリでゴールを量産したゴンサロ・イグアイン(ユベントスからミランにレンタル移籍中)を獲得、そしてモラタ放出が、再び現実味を増したと伝えられている。いずれにしても、当日のウェンブリーで、「ハムストリングの軽傷」というクラブの説明を額面通りに受け取った記者は、少なくとも筆者の周りには1人もいなかった。
ポチェッティーノに感じる執念。
同様に「今日のパフォーマンスレベルを継続できれば勝てる」とした、サッリの発言に信憑性を覚えた記者が、果たしてどれだけいただろうか?
確かに、第1レグでの敗戦はリーグカップ決勝進出を争う180分間を、ホームでのリターンマッチに向けて1点ビハインドで折り返したようなものではある。だが、今季リーグ戦と合わせてチェルシーに連勝したトッテナムは自信を増しているに違いない。また昨季終盤にはスタンフォード・ブリッジでチェルシーに勝てないというジンクスから、28年ぶりの勝利で解き放たれている。
結果が求められたはず準決勝第1レグ後も、内容への「納得」を強調したサッリのチェルシーが、1月24日の第2レグで逆転劇を演じられる見込みは薄いと言わざるを得ない。
同じウェンブリーでの初戦後に、指揮官が「ファイナル」を2度、「タイトル」という言葉は3度口にした、ポチェッティーノのトッテナムとの決戦では。