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無冠のポチェッティーノとサッリ。
カップ決勝進出へ執念の差が明確? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2019/01/12 11:30

無冠のポチェッティーノとサッリ。カップ決勝進出へ執念の差が明確?<Number Web> photograph by Getty Images

プレミアを代表する名将のポチェッティーノと、今季からチェルシーの監督に就任したサッリ。どちらのクラブが決勝に進むか。

サッリは押し気味と強調も。

 最終ラインの要であるトビー・アルデルバイレルトが、ケインのPK獲得に繋がったロングボールを躊躇せず送るなど、チェルシーが後方に残したスペースをつくカウンター狙いだった。

 スピードのあるソンが、2度も相手ライン裏のパスに走り込むまでに、キックオフから5分とかかっていない。サッリが「私たち(チェルシー分析担当者)が撮った映像を見る限り、ケインは明らかなオフサイドだ」と主張したPKが生まれる前から、思惑通り試合を運んだのはトッテナムだった。

 そのサッリは、ポゼッション(57.7%)やシュート数(17本)を挙げて、受け入れがたい敗戦とした。しかし、これは数字のまやかし。普段通りの戦法で臨んだチェルシーは、自分たちのサッカーをさせてもらえなかった。

 キーマンとなるジョルジーニョは、パスを出す機会こそ増えても、司令塔と言えるレベルで仕事するだけの余裕はなかった。また控え扱いのDFアンドレアス・クリステンセンに、この日はベンチだったダビド・ルイスばりのロングパスを期待するには無理がある。攻撃の脅威度で相手を上回ることはできないままだった。

アザールの“0トップ”は?

 チェルシーが得点に最も迫ったのは、前半終了間際のこと。カラム・ハドソン・オドイのシュートを、相手GKパウロ・ガッサニーガが手を伸ばしてバーに当てて弾き出した場面である。だがこれはクロスが相手DFに当たってゴールへと向かったことで、ガッサニーガがセーブを強いられたに過ぎない。

 FAカップに続く18歳オドイの先発起用は、バイエルンが獲得を狙うユース上がりの有望株対する、残留説得というのも否定できない。加えて、オドイがアウトサイドから斬り込んでも、相手ゴール前にはクロスの標的がいない問題点は、前半10分過ぎから明らかだった。

 アザールが3トップの中央に入る“0トップ”は、ひと月前のマンC戦(2-0)から定着しているが、長期的な採用は疑問だ。当人は「ストライカーじゃない」と言い、「前線左サイド」のポジションを好んでいる。周囲との連係が難しくては、最大の武器の無駄遣いともなりかねない。

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