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与田剛の右手は下から2番目を選んだ。
根尾昂と竜の未来を握る、戦う男の手。 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byKyodo News

posted2018/12/26 11:30

与田剛の右手は下から2番目を選んだ。根尾昂と竜の未来を握る、戦う男の手。<Number Web> photograph by Kyodo News

根尾を1位指名した中日の与田新監督は、巨人など4球団と競合したが見事に1番クジで引き当て、1年目から遊撃手として勝負させる意向。

「下から2番目」の後日談。

 打ち合わせたわけでもないのに、夫人でフリーキャスターの木場弘子さんが同じことを伝えてきたという。根尾に入札する球団数などはコントロールできないが、どれを引くかは決められる。「下から2番目」は奏功したが、後日談もある。

「あの封筒って、そろえて並べてるわけじゃないんですよ。まず一番下をつかんで、その上と思ったらずれていて、これかなというのを取りました。でも本当に2番目をつかめたかどうか、実のところはわからないんです」と笑顔で明かしていた。

 交渉権をつかみとった与田監督の右腕は、指先で自分の右肩には触れられない。長年の酷使により、肘関節が90度より内側に曲げられないからだ。まさしく戦ってきた投手の手で確かめたのが根尾の手だった。

「新人との食事会で、根尾君の手のひらを見せてもらったんですよ。マメだらけでした。ああ、打者の手だな、この手好きだなと。そう思いました」

 曲げられない投手の手が感じ取った、振り込んだ打者の手。ゴツゴツしたその手が、チームの明るい未来を照らしている。12球団ジュニアトーナメントに出場し、プロに進んだ選手はたくさんいるが、同じチームに入ったのは根尾が初めてだ。中日と根尾には縁があったのだ。根尾は1月6日が入寮日。7日からは合同トレーニングを開始する。

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