野球のぼせもんBACK NUMBER
ギータは守りやすく、ビール売りは嫌?
SB石川柊太の投球テンポが凄く短い。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2018/12/27 08:00
石川は今季13勝6敗、CSや日本Sでも重要な場面でセットアッパーとして活躍した。
9秒台前半はものすごく短い。
'18年の受賞選手は次のとおりだ。
セ・リーグ投手が三上朋也(DeNA)で10秒4、同野手が京田陽太(中日)で11秒4。パ・リーグ投手が多和田真三郎(西武)で11秒1、同野手が藤岡裕大(ロッテ)で12秒0だった。
しかし、石川はそれをはるかに上回る数値を叩きだしていたのだ。
「じつは僕、9秒台のかなり前半だったんです。規定達成者以外を含めても12球団でトップと聞いています」
ただ、同賞受賞には野手は規定打席到達、投手ならば先発で120投球回以上、リリーフで50投球回以上をクリアしなければならなかったのだ。今季“二刀流”の仕事をこなした石川はトータルで127回1/3を投げたものの、先発で90投球回、リリーフで37回1/3といずれも到達できなかったというわけだ。
「僕の中で、今年は一軍で投げるのも2年目になるし何かタイトルを獲りたいと考えていたんです。だから『スピードアップ賞』を密かに狙っていた。シーズン終盤はいつも以上に投球テンポを意識して頑張っていた(苦笑)」
達川コーチから謎の感謝が。
もともと「テンポのいい投球」は石川の身上である。
'18年のプロ野球全体の試合時間(9回まで)の平均が3時間13分だった。ソフトバンク(同)は3時間16分で、今季最も短かったのが4月19日の楽天戦で2時間26分。この試合で先発したのが石川だった。
ほかにも石川が先発した試合では、4月12日の日本ハム戦が2時間32分、同26日の西武戦が2時間27分、5月9日の西武戦が2時間31分だった。
石川によれば、達川光男ヘッドコーチ(今季まで)からは「今日は試合後に予定があるから助かるわ」とよく感謝をされたとか。