野球のぼせもんBACK NUMBER
ギータは守りやすく、ビール売りは嫌?
SB石川柊太の投球テンポが凄く短い。
posted2018/12/27 08:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
「夢があるし、やった分だけ返ってくる世界だなと思いました」
ホークスの石川柊太は契約更改に臨み、倍増となる年俸6000万円プラス出来高で一発サインをした。
育成ドラフトで入団からの4年間はずっと年俸400万円だった。'16年途中に支配下登録されて初めて昇給し500万円で契約。そして、それからわずか2年で12倍に評価を膨れ上がらせたのだ。
今季はチーム最多タイの13勝を挙げた。主に先発ローテを担った7月までに8勝、8月以降はリリーフに専任で5勝と活躍した。昭和の時代ならばともかく投手分業制が確立した昨今では、先発と救援を同一シーズンの中でしっかり両立した例は希少である。
42試合も投げ抜きベンチの起用法に好結果で応えた石川は、球団との交渉前から「どのように評価をしてもらえるか。また、今後このような選手が出てくる時の為にも、その道筋も作りたい」と話していた。
当日の話し合いは2時間近くに及んだようだが、筆者の感覚とすれば年俸倍増に加えて出来高まで付けてもらえたとするならば、球団も彼の思いを汲んだ査定を行なったのではないかと考えている。
「今年は狙ってたんですけどね」
ところで、そんな交渉数日前に取材を行なった時のこと。石川はこのようなことも言っていた。
「スピードアップ賞、今年は狙ってたんですけどね。規定があってダメだったんです。シーズンが終わった後に知りました」
スピードアップ賞とはプロ野球の特別表彰の1つでセ・リーグでは'99年、パ・リーグでは'13年から表彰が開始された。
試合時間の短縮に貢献した選手を対象としており、投手も打者も無走者時の投球間隔時間がその基準となっている。