【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『グラゼニ』凡田夏之介vs.池田純氏。
球団買収には野球協約、球史を知るべし!
posted2018/12/27 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Number/Morning
2018年秋、仙台ゴールデン・カップスの左腕・凡田夏之介は、横浜DeNAベイスターズの前球団社長・池田純氏との公開対談に臨んでいた。高卒でプロ野球の世界に飛び込んだ夏之介は、いまプロ15年目の32歳。もはや若手とはいえない状況の中、将来への不安を抱え始めていた。セカンドキャリアを、どうすべきなのか――。
池田「夏之介選手は、セカンドキャリアも野球の世界で築きたいんですよね」
夏之介「はい!」
池田「だったら……思い切ってメジャーに行きましょう! そして、顔と評判を売り、日本人の100億円プレイヤーとの人脈を築くのです。その先には、球団買収、球団の共同オーナーとなった自分を思い描けばいい」
夏之介「僕が、球団のオーナー?? そんなことできるんですか?」
池田「もちろん、そんな簡単に事が進むわけではありません。いくらお金があっても、それだけではだめ。大事なのは……『根回し』です!」
夏之介「根回し……なんとも古風な感じがしますが」
池田「どんなビジネスの世界でも、根回しは基本中の基本です」
夏之介「うーん……。そもそも、球団ってどういう風に買うものなんですか? まったく見当がつきません……」
池田「確かに、確実な方法というのは実はどこにもありません。実際、僕たちがベイスターズを買収したときも、正直手探りからのスタートでした。でも、最初にやることは、ごくごくシンプルなことでした」
夏之介「シンプルなこと?」
池田「まずだいじなのは……。野球協約を読み込むことです。僕はそこからはじめましたよ。協約の本がボロボロになるまで何度も読み返しました」
夏之介「え?? 野球協約??」