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2年前、柴崎岳も感じた「なるほど」。
レアル戦が鹿島にもたらすきっかけ。
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byAFLO
posted2018/12/18 17:00
2年前のレアル戦で、柴崎岳は「レアルキラー」という称号を手に入れた。CWCの世界への訴求力は圧倒的だ。
それでも、決勝で得たものはあった。
では、決勝という大舞台で何を得たのか。
「まずは“経験”。自分のキャリアのなかでも、あれほど大きな大会はなかった。これで次に同じような舞台でもっと落ち着いてやれる部分も増えていくだろうし、もっと力を抜いて冷静にできる部分が出てくると思う」
「1年前は観客席で見ていたんだけどなぁ」と振り返る大舞台で、その名を世界にとどろかせる活躍をした。やはり大舞台は、選手のポテンシャルを引き出す魔力のようなものがあるのかもしれない。
「すごく勉強になった。個だけでなく、チームとしても『なるほどな』という戦いをしていた。『俺の好きなタイプのサッカーだ』と。やっていて楽しかったし、感心しながらプレーしていましたね」
柴崎にとって、選手としてワンランク上がるキッカケとなった大会になった。
あれから2年。
鹿島は8度目の挑戦でAFCチャンピオンズリーグを制し、アジアチャンピオンに輝いた。アジア王者としてクラブW杯に挑む。2度目の挑戦となる昌子源は、こう意気込む。
「アジア王者として挑む今大会が、鹿島にとって本当の意味で臨める大会。鹿島にとってはリベンジの舞台になる」
高卒2年目の安部が存在感を発揮。
21冠目のタイトルへ、覚悟を持った戦いが始まった。
初戦となる準々決勝グアダラハラ戦は、先制されながらも3-2の逆転勝利を収めた。この試合で大きなインパクトを残した選手がいた。
高卒で加入した2年目の安部裕葵だ。
前半、うまくチームが回らないなかで後半から登場した背番号30は躍動した。積極的にドリブルで仕掛けて、主導権を引き寄せる。84分、左サイドを駆け上がった安西幸輝からペナルティーエリア内で横パスをもらうと右足一閃。GKの手をすり抜けてゴール右隅に決めた。これが試合を決める決勝ゴールになった。
「特別な選手になりたいと思っています。そのためにはみんなと同じことをしていたらなれないと思うんです。周りの人たち以上に、常に何か違うことを見つけて取り組まなければいけない。特別な選手になりたいなら、そうすべきだと考えています」