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朝日杯、アドマイヤマーズの戦術は、
「牡馬で牝馬を負かすときの定石」。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2018/12/17 11:30

朝日杯、アドマイヤマーズの戦術は、「牡馬で牝馬を負かすときの定石」。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

今季はGIでなかなか勝てなかった名手デムーロ。朝日杯を勝って、これで歴代最多タイの同レース4勝目となった。

外国人騎手が10週連続GI制覇に。

 2馬身差の2着がクリノガウディー、さらに半馬身差の3着がグランアレグリア。

 そこから1馬身半遅れた4着は、ここでGIコンプリートに王手をかけたかった武豊のファンタジストだった。

「強いね。直線はいい脚で伸びて、負ける気がしなかった。どんどん成長しているし、頭がいい。ぼくと同じで、負けたくないという気持ちも強い。距離はもう少し長くなっても大丈夫」

 そう話したデムーロは、朝日杯の成績を8戦4勝とした。4勝は、柴田政人現調教師と並ぶ最多タイ記録だ。

 これで外国人騎手が10週連続GIを制したことになる。

 2週連続制覇となった生産者のノーザンファームにとっては、同牧場の年間最多記録を更新するGI14勝目となった。

2歳女王はダノンファンタジーで決まりか。

 グランアレグリアが敗れたため、2歳女王は前週の阪神ジュベナイルフィリーズを制したダノンファンタジーで決まりだろう。

 今回の敗戦がグランアレグリアのメンタル面に悪い影響を及ぼさないことを祈りつつ、来年の、ダノンファンタジーとのライバル対決を楽しみにしたい。

 最優秀2歳牡馬、すなわち2歳王者の座は、無傷の4連勝でGIを圧勝したアドマイヤマーズが大きく引き寄せたと言えよう。

 札幌2歳ステークスと東京スポーツ杯を連勝中のニシノデイジーが12月28日のホープフルステークスを勝てばわからなくなるかもしれないが、レースの格では朝日杯のほうが上だ。ニシノデイジーが、よほどインパクトのある勝ち方をしない限り、アドマイヤマーズが選出されるのではないか。

 アドマイヤマーズはこのあと放牧に出て、ひとつ叩いてからクラシック三冠初戦の皐月賞を目標にするという。

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ミルコ・デムーロ
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