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朝日杯FSを勝って2歳女王になる。
大器グランアレグリアの大きな野望。
posted2018/12/15 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
NIKKAN SPORTS
このレースは「2歳王者決定戦」と「2歳女王決定戦」のどちらになるのだろう。あるいは、どちらにもならないのだろうか。
今週の第70回朝日杯フューチュリティステークス(12月16日、阪神芝外回り1600m、2歳GI)には、世代ナンバーワンの呼び声高い、強豪牝馬のグランアレグリア(父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)が出走する。
牡馬も出走した新馬、重賞を2戦2勝。新馬戦では、先週の阪神ジュベナイルフィリーズを制したダノンファンタジーを2馬身突き放した。勝ちタイムは、芝1600mの2歳新馬戦史上最速の1分33秒6。つづくGIIIサウジアラビアロイヤルカップでは、出遅れて後方を進みながら、流れが遅いと見るや、2番手まで押し上げて折り合い、2着を3馬身半切って捨てた。
牝馬でありながら阪神ジュベナイルフィリーズに出なかったのは、主戦のクリストフ・ルメールが、香港遠征で不在だったため。それに加え、僚馬シェーングランツ(4着)とのバッティングを避けた部分もあったのではないか。
過去の朝日杯勝利牝馬をみると。
朝日杯は、条件が何度か変わっており、芝1600mになったのは1962年の第14回から。1991年から2003年まで牝馬は出走できず、2014年から舞台が阪神ジュベナイルフィリーズと同じ阪神芝外回り1600mになった。
グランアレグリアが勝てば、1980年のテンモン以来38年ぶり、史上8頭目の牝馬の勝利となる。かつての牝馬の優勝馬には、1982年の年度代表馬ヒカリデユールの3代母のキタノヒカリ、GI5勝牝馬メジロドーベルの3代母で、2015年の年度代表馬モーリスの4代母でもあるメジロボサツなどがいる。
そのクラスの名牝でなければ勝てないとも言えるし、勝てば歴史的名牝への第一歩を踏み出すとも言える。グランアレグリアが勝てば、おそらく、今年度の最優秀2歳牝馬、つまり、2歳女王に選出されるだろう。