沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
朝日杯、アドマイヤマーズの戦術は、
「牡馬で牝馬を負かすときの定石」。
posted2018/12/17 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
無敗の重賞ウィナーが男の意地を見せ、38年ぶりの牝馬による優勝を阻止した。
第70回朝日杯フューチュリティステークス(12月16日、阪神芝外回り1600m、2歳GI)を、ミルコ・デムーロが騎乗した2番人気のアドマイヤマーズ(牡、父ダイワメジャー、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。
デビューから無傷の4連勝を飾り、2歳王者の最有力候補となった。
デムーロ「いい位置でレースができた」
15頭の出走馬がパドックに出てきたころから細かな雨が降り出した。それでも、馬場状態を変えるほどの雨量ではなく、レースは良馬場のまま行われた。
ゲートが開くと、全馬ほぼ横並びのスタートを切った。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持された、クリストフ・ルメールが騎乗する牝馬のグランアレグリアは、出遅れが心配されていたが、スムーズにゲートを出て先行した。
アドマイヤマーズのデムーロは、やや気合をつけてポジションを取りに行った。外のイッツクールを先に行かせるとグーンと手綱を引き、グランアレグリアの2、3馬身後ろの3番手につけた。
「思っていたとおり、グランアレグリアが見える、ちょうどいい位置でレースができた」
マークされる側でなく、マークする側になった時点で、優位に立ったと言える。
先頭はイッツクール、2馬身ほど離れた2番手にグランアレグリア、2、3馬身後ろの3番手にアドマイヤマーズがつづく。
前半800m通過は47秒7。それほど速くない平均ペースだ。結果として、後半800mが46秒2という後傾ラップになったので、前につけたグランアレグリアの戦術が間違っていたわけではなかった。