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朝日杯FSを勝って2歳女王になる。
大器グランアレグリアの大きな野望。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2018/12/15 08:00
前走はデビュー戦からプラス18キロで出走しての勝利。グランアレグリアの底はまだ見えていない。
朝日杯7戦3勝のミルコ。
しかし、迎え撃つ牡馬勢も強い。
その筆頭格は、新馬、オープン特別、重賞を3連勝中のアドマイヤマーズ(父ダイワメジャー、栗東・友道康夫厩舎)だ。
先行力があり、叩き合いに強いところは父譲りか。鞍上は、父で皐月賞を制したミルコ・デムーロ。どのレースでも強い騎手だが、朝日杯は7戦3勝と、特に強い。
ルメール対デムーロという点でも、グランアレグリアとの戦いは興味深い。
重賞を2勝しているのは1頭だけ。
もう1頭、3戦3勝の牡馬がいる。武豊のファンタジスト(父ロードカナロア、栗東・梅田智之厩舎)である。
重賞を2勝しているのはこの馬だけだ。1400mまでしか距離経験のないことが不安材料とされているが、操縦性が高く、鞍上の指示を素直に受け入れる。同じロードカナロアを父に持つアーモンドアイも、楽々距離をこなしている。一戦ごとに体を増やしている成長力も大きな魅力だ。
グランアレグリアかアドマイヤマーズが勝てば、外国人騎手による10週連続GI勝利となる。が、この馬が勝てばそれをストップすると同時に、武がJRA・GI完全勝利に王手をかける。そうなれば、残るはホープフルステークスだけとなるのだが、香港で騎乗停止となったためホープフルステークスには乗ることができず、今年はコンプリートを狙うことはできない。
新馬戦でアドマイヤマーズにハナ差及ばぬ2着となったあと、未勝利戦、重賞を連勝中のケイデンスコール(父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)も上位に食い込んできそうだ。前走の新潟2歳ステークスで見せた、大外一気の切れ味は、直線の長い阪神芝外回りで生きてくるだろう。鞍上は初騎乗のクリスチャン・デムーロ。有力馬のほとんどに外国人騎手が乗ることになった。