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長谷部誠は常に変化しつつ生き残る。
AFC最優秀選手と、新体制での信頼。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byAFLO

posted2018/12/04 11:30

長谷部誠は常に変化しつつ生き残る。AFC最優秀選手と、新体制での信頼。<Number Web> photograph by AFLO

ドイツに渡って10年以上になるが、長谷部誠の出場試合が2ケタに届かなかったシーズンはない。

「勝ちを重ねることで自信に」

 この試合で長谷部は3バックのリベロを務めていた。リーグ開幕戦は、勝利したものの長谷部はベンチ外。チームはリーグ戦で2連敗し、長谷部の試合復帰がELのマルセイユ戦だった。

 しかしこの試合でのポジションはMF。チームのシステムも4バックで戦っている。続くリーグ第4節では3バックのリベロを務めたもののライプツィヒに引き分け、第5節ボルシアMG戦では4バックとなりボランチに。そしてこの試合は1-3と敗れた。

 第6節のハノーファー戦を4-1と快勝すると、フランクフルトは3バックに固定され、長谷部のリベロも不動となった。この9月30日以降、フランクフルトは公式戦11試合を戦い10勝1分と好調の波に乗る。順位もバイエルンを上回る3位につけていた。

「シーズン最初はなかなか試合に出られなかったけれど、マルセイユ戦でチャンスをもらって、そこで結果を残せた。そこからはずっと試合に出られている。ヨーロッパリーグがあったというのは、個人的には非常に大きいと感じている。

 マルセイユ戦での勝利はチームにとっても間違いなく大きいけれど、まだあの頃は自分たちに対して自信を持ててはいなかった。そこから勝ちを重ねることで、今はかなり自信を持っている。今日の試合のように選手をローテーションしてもしっかりと代わりの選手が結果を残せるというのは、いいチームになってきていると感じます」

AFC最優秀選手、という栄冠。

 11月28日には、2018年度のAFC最優秀国際選手にも選ばれた。

「日本にいたころに個人の賞もいくつかいただきましたけど、そういうのとは無縁の選手だと思っていたので、今回は本当に光栄ですね。ただ、これは僕個人の力じゃなくて、周りの選手や監督とか、そういう人達の力がなかったら、こういう賞は頂けなかったと思うので、素直に嬉しいですし、周りに感謝しています。

 ソン・フンミンが2度受賞しているというのもあったと思うんですけど、僕のような後ろの(ポジションの)、あまり目立たない選手がこういう賞をもらえるというのは、もちろんありがたいですけど、アジアの選手が今年はそんなに活躍しなかったのかなと思ったんですけど(笑)。田嶋(幸三)会長から連絡をいただいたんですが、寝耳に水というか本当に驚きました」

【次ページ】 アジア以外を含めても稀有な存在。

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