月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
昭和なタバコ文化の残るプロ野球。
原監督の“禁煙令”に思い出すこと。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2018/12/01 11:30
来シーズンに向けて、原監督は岡本和真に4番打者固定とともに「禁煙令」を厳命した。
選手がアスリート化する中で。
コラムでは各球団が「体力維持や故障予防の観点から春季キャンプや新人研修等で積極的に禁煙を勧めている」ことも書いているが、逆に言えば喫煙する選手は今も多いということがわかる。
野球選手はなぜたばこを吸うのか?
嗜好品だから各自の自由だし、冒頭に書いたように私は「たばこを吸い、酒を飲みまくり、グラウンドで結果を出す」野球選手には非日常の超人を見る楽しさを感じていたので個人的には咎めるつもりはない。しかし、ついつい気になってしまうお題でもある。
コラムには野球選手が喫煙する理由も書かれていた。
「以前、ヘビースモーカーである某チーム主力選手に禁煙を勧めたことがあるが、その選手は「野球はサッカーやバスケと違って持久力が重視されるスポーツじゃないので、たばこの害を意識しづらい。それにシーズン中に禁煙するとストレスがたまり、逆にたばこを我慢することでプレーにも影響が出る。だからやめたくてもやめられない人の方が多い」と胸の内を明かしてくれた」
なるほど。
昭和から平成へのプロ野球の変化のひとつは「選手のアスリート化」だと私は勝手に思っていたが、それにしてもやはり興味深いジャンルである。
原監督が岡本に出した禁煙令。
そういえばこんな記事があった。
「原新監督 岡本へ禁煙令」(日刊スポーツ10月24日)
巨人の新監督となった原辰徳氏の就任会見を伝える記事なのだが、「禁煙」というザワザワする文字が。
何かと思えば、今年ブレークした岡本和真が「4番としてさらに成長するに何が必要か」と問われた原監督は、
「まず、たばこをやめることだね。青少年育成を含めた夢を追い掛ける点で改めれば、来季はさらに上の成績になるのでは。自分を新しいステージに上げる、目標を置くために。勧めないようにしてください(笑い)」
と言ったという。マスコミ受けを考える原監督らしいキャッチーな発言である。実際に「岡本へ禁煙令」は各紙大きく報じた。