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休まない剛腕、佐藤達也の引退。
オリ後輩が惚れた「天性の人柄」。

posted2018/11/30 07:30

 
休まない剛腕、佐藤達也の引退。オリ後輩が惚れた「天性の人柄」。<Number Web> photograph by Kyodo News

11月25日に京セラドームで行われたファン感で最後のユニフォーム姿を披露。家族からも花束が贈られた。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Kyodo News

 11月25日、ファンフェスタの最後に行われたセレモニーで、今シーズン限りで現役を引退した佐藤達也がマイクの前に立った。

「まず、こんな僕のために、このようなセレモニーを開いてくださった球団関係者の皆さま、本当にありがとうございます。本当に素晴らしい球団と、最高のチームメイトと、そして最高のファンの皆さんと一緒にプレーすることができたのは、僕の中で本当に幸せでした。7年間という短い間でしたが、本当に本当に、ありがとうございました」

 この3日前、舞洲の球団施設に姿を見せた佐藤は「ああいうの苦手なんですよね。絶対噛むし、何をしゃべったらいいかわからないです。今まで極力避けてきたのに」と苦笑していた。しかしセレモニーでは、一言一言、思いを込めながら力強い言葉で語った。

「こんな僕のために」という語り出しが、何とも佐藤らしい。

 150kmを超えるストレートを武器に、2013、2014年には2年連続で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。2014年にオリックスはソフトバンクを相手に熾烈な優勝争いを繰り広げたが、8回の男・佐藤は紛れもなくその立役者の1人だった。

「なんというか、天性の人柄」

 ユニフォームの袖を肩までまくり上げ、ギラギラした目でサインを確認すると、キャッチャーミットを目がけてまっしぐらに投げ込む。身長178cm、体重77kgと決して大柄ではない体を目一杯使って豪球を投げ込み、打者をねじ伏せる姿は爽快だった。

 そんな野性味あふれるマウンド上の姿とは対照的に、普段は言葉少なで腰が低く、失礼ながら「どこにでもいそうな兄ちゃん」だった。

 だから後輩からも「タツさん」と慕われる。今シーズン、8回を任された20歳の山本由伸はこう語った。

「タツさんという人物が、とにかくすごい。僕らにも低姿勢で、なんというか、人柄の天才です。最後まで悪いところが見えなかった。僕は今年中継ぎになった時、タツさんに話を聞いたんですが、『大丈夫だよ』みたいな感じで自信を持たせてくれる。ああいう人だから、最後こういうふうに見送られるんだなと思いました」

【次ページ】 抑えまくった2年間とその後。

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