フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ネイサン・チェン優勝のフランス杯。
ブラウン、田中、ボーヤンの現在地。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2018/11/27 17:30
左から、2位のジェイソン・ブラウン、優勝したネイサン・チェン、3位のアレクサンドル・サマリン。
チェン、大学に通いながらも2連勝。
フリーで逆転優勝をきめたのは、ネイサン・チェンだった。
SPでは4フリップで転倒して3位スタート。フリーでは冒頭の4フリップ、4トウループ、3フリップ+3トウループなど、次々にジャンプをきめていった。フリップにエッジエラーの注意マークがつくという細かなミスもあったが、フリー184.64で総合271.58を得て世界王者の存在感を示した。
今シーズンからエール大学に入学し、授業を複数受講しながら、コネチカットのリンクで基本的に自主トレを続けてきたという。
「練習はその日の授業などの都合によって、時間はさまざま。でも可能な限り2、3時間は滑るようにしている」と語ったチェン。スケートアメリカに続いて2連勝を果たし、GPファイナル進出を勝ち取った。
サマリン3位に見るGOEの変化。
3位に入ったのは、ロシアのアレクサンドル・サマリンだった。
SPでは着氷が少々乱れたものの4ルッツを降り、4トウループも成功させて90.86を獲得して2位。スピン、ステップもすべてレベル4を獲得しながらも、4回転を一度も入れていないブラウンに技術点も及ばなかったのは、GOE(グレード・オブ・イクスキューション/出来栄え)の加点がそれほどつかなかったためである。
今シーズンからプラスマイナス5の11段階評価となった各エレメンツのGOE。それによって技の難易度だけではなく、質の高いものを見せることの重要性が増したことが、露わになった採点だった。
サマリンはフリーでは4ルッツの失敗などもあり、156.23で4位だったが総合247.09で3位に踏みとどまった。