フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全治3週間負傷でも優勝の羽生結弦。
ザギトワも優勝で五輪覇者の貫禄。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2018/11/19 17:00
美しく、優雅に滑る羽生だが……その身体には歴戦の負担が重くのしかかっている。
幻に終わった、4アクセル。
2位は、ジョージア出身の選手として初めてGP大会メダルを手にした23歳のモリス・クビテラシビリ。
3位はSP4位だった友野一希が逆転入賞し、初のGPメダルを手にした。
この大会ではロシアのアルトゥール・ディミトリエフが4アクセルに挑んだが、回転が足りずに転倒し、認定されなかった。ディミトリエフは総合11位に終わった。
女子はザギトワ圧勝!
一方女子は、16歳のアリーナ・ザギトワが圧勝した。
SP『オペラ座の怪人』では、冒頭でキレの良い3ルッツ+3ループを着氷。昨シーズンに比べると、片足滑走の時間が長くなり、表現も膝がきれいに伸びて細部がきちんとこなれている。
スピンやステップシークエンスではプラス5のGOEを出したジャッジもいた。
今シーズンからリセットされた女子の最高点、彼女自身がネベルホルン杯で出した79.93を上回る、80.78を手にした。
フリーの『カルメン』では、2アクセルから演技を開始。
3ルッツ+3トウループ、3サルコウとジャンプを成功させていったが、SPに比べると振付が詰め込みすぎで慌しく、音楽におくれずについていくので精一杯という印象だった。
後半ではジャンプが乱れて、最後の2フリップでステップアウト。それでも142.17を手にし、総合222.95。2位におよそ25ポイントの点差をつけてトップを保った。
平昌オリンピックから5~6センチ身長が伸びたというザギトワ。
少女から大人の女性へと成長過程にあるティーネイジャーの彼女は、現在フィギュアスケーターとして理想的な体型に見える。
難易度の高いジャンプと、大人の女性の表現力を保っている今シーズンの彼女は、キャリアのピークに達した選手独自のオーラに満ちていた。