オリンピックへの道BACK NUMBER
いつか荒川静香さんみたいに……!
白岩優奈が目指す五輪と資金援助の輪。
posted2018/11/19 16:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
「昨日の夜はいろいろなことを考えすぎて、眠れませんでした」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ、ロシア杯を5位で終えた白岩優奈の表情には、悔しさがあふれていた。
突如、舞い込んだチャンスだった。出場を予定していた樋口新葉が怪我により欠場。GPのフィンランド大会(4位)のみの出場だったはずの白岩が出ることになった。
迎えた大会では、ショートプログラムでジャンプの回転不足があり、5位にとどまる。
フリーは後半、ジャンプでミスが続き、巻き返しはならなかった。
「毎試合毎試合、リベンジを誓っているような気がして。次こそは、と思うんですけど、やっぱり気持ちの弱さからかなと思います」
そう振り返るショートは、ザギトワの直後に滑った影響を示唆した。
「空気にのみこまれないように必死で、精神状態を保とうと一生懸命やっていたんですけど、体と心のコントロールがうまくいかなかったなと思います」
「自分の、今までの練習の甘さ」
フリーでも課題を感じた。
トリプルサルコウからのコンビネーションジャンプで転倒。最後のトリプルループをコンビネーションジャンプに、と意識し、かえって失敗を招いた。
「ループのリカバリーの練習をやってませんでした。本番ぶっつけでできるわけはないので、そこは自分の、今までの練習の甘さだったと思います」
悔しさは募った。