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「『やりきった』という感覚がない」
西武・外崎修汰が悔しさ募らせる理由。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/11/15 10:00
走攻守すべてが揃う外崎。日本シリーズ進出を逃したことは発奮材料となっている。
野球人生初の長期離脱だった。
悔しい思いを封印し、気丈に振舞った。
外崎の野球人生において、ここまで長い期間の離脱は初めての経験だった。大学時代もシーズン中や、大会期間中には故障でチームから離れることはなかったという。
初めての経験に戸惑い、自分を追いつめる日もあった。
「なんで怪我しちゃったんだろう」
「戻ってから、自分の居場所はあるのかな」
リハビリ中は様々な思いが頭をよぎったと語る。
「早く治して試合に出たい。それだけ」
「一軍の実戦から離れて、いちばん感じたのは自分の居場所がなくなる恐怖です。
自分がいなくてもチームは勝ち続けて、リーグ優勝もしました。
もちろんチームが勝つことはうれしいし、応援しているのですが、自分が出ていないということは、ほかの人が出て活躍してるってことじゃないですか。そうなると、自分が治って戻ったときに、果たして居場所があるのか。
首脳陣やチームメイトの信頼を失ってしまいそうで、そういう焦りはありました。
早く治して試合に出たい。それだけでしたよね」
前年の2017年シーズン、135試合に出場し、レギュラーの座を手にしかけていただけに、故障によってその座を明け渡さざるをえなかったことが大きな危機感につながった。
当然、日本シリーズ進出を逃したことも、外崎の奮起の材料となっている。