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「『やりきった』という感覚がない」
西武・外崎修汰が悔しさ募らせる理由。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/11/15 10:00
走攻守すべてが揃う外崎。日本シリーズ進出を逃したことは発奮材料となっている。
復帰した後も、恐怖感は残った。
「2週間、安静にしているように言われて、全く何もできずにモヤモヤしていましたね。上半身も下半身も全く動かせないので、トレーニングもできませんでした。できることは限られていて、とにかく早く治すことしか考えていませんでした」
高酸素カプセルや電気治療など、効果があると言われる治療はすべて試した。
一軍復帰を見据え、9月30日にはチームの札幌遠征に同行。
「でもまだ全力で振れるという感じではなかったですね。札幌に合流したときは、『だいぶコンディションはよくなった』というくらいで、実戦経験はまだまだと思っていました。
(登録抹消中に)ファームでもっと試合に出たかったんですけど、試合があまりない期間と重なってしまって、自分で思い描いたほど出場できなかった。
そのあとすぐに札幌へ行ったので、まだ怖さもありました。また振ったら痛めるんじゃないかという怖さですね。それはまだ残っていました」
「今後、慎重さを頭の隅に置いておく」
チームは9月30日に優勝を決め、外崎もビールかけに参加。
ライオンズにとって10年ぶりとなるリーグ優勝の喜びは、チームメイトとともに味わうことができた。
「胴上げに貢献したかったという思いは、やっぱりありますね。開幕からずっと首位を走っている中で、自分も結果が出てきていたところだったので……。ちょうど調子が上っているときでも、練習中にこんな形で故障するケースもあるんだなと。『いい勉強になった』と受け止めようと思います。
どんなにコンディションが良くてもアクシデントは起こり得る。今後、慎重さを頭の隅に置いておくことができれば、これからの野球人生にプラスになるかもしれないので」