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悪夢のドラフト指名漏れから2年。
日本ハム3位・生田目翼と武田久。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKyodo News

posted2018/11/13 08:00

悪夢のドラフト指名漏れから2年。日本ハム3位・生田目翼と武田久。<Number Web> photograph by Kyodo News

日本ハムは1位の吉田輝星ら、高校生を多く指名。社会人の指名は生田目だけと、即戦力としての期待は高い。

熱い気持ちを持つ真面目な男。

 その後の都市対抗野球南関東二次予選では、初戦の新日鐵住金かずさマジック戦の先発を任されて4安打完封勝利。JFE東日本戦でも先発で8回を無失点に抑え、チームの本戦進出に大きく貢献した。気持ちの強さは垣間見えるものの、投球時、熱くなり過ぎて我を失う場面も見られなくなったと周囲も言う。

 先のドラフトの会見時も、生田目は自身の成長を記者から問われると、まず「精神面」を口にした。それだけ自分の中で想うことがあったのだろう。

 社を代表して戦う真の意味。日々練習をして、グラウンドに立ち、ただ試合で負けられないというだけでなく、日本通運の社員としての誇りを胸に、グラウンドでも、そしてプライベートでも「どうあるべきか」「どんな自分を見せるのか」それを考え、日々を過ごす。そのことに彼はこの2年間で気付いたようだ。

「(社会人野球では)社が1つになって勝利に向かう大切さを学びました。そこはプロに行っても大事にしていきたいなと思っています」

 今年の夏前に行なった筆者とのインタビュー取材では、席につく際、しっかりとした挨拶で、こちら側から声をかけるまで着座しないで待っている、そんな生真面目さも見せた。

「プロはどれだけ稼ぐかだと」

 気持ちが熱く、試合で爆発させてしまうのも、ある意味、真っ直ぐ過ぎる性格が故なのかもしれない。実際、筆者が感じた彼の印象は、昭和の匂いを感じさせるとても礼儀正しい好青年だった。

 ポテンシャルは一級品。それを活かすための体と心も備わった。これからプロの道に旅立って行く生田目に、藪監督もこんな言葉を贈る。

「とにかくプロに行ったらどれだけ活躍してお金を稼ぐかだと思うので、当然社会人でやるより、もっともっと厳しい世界であります。なので、いろんな人が支えてくれているということを頭に入れて、最高のパフォーマンスをして、結果としてお金を稼ぐことが出来たら良いと思いますし、我々、日本通運の若い選手達にもプロで活躍する姿を是非とも見せてほしいと思います」

 この2年間がけっして遠回りじゃなかったと、生田目はプロの舞台で証明する。

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